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先日あげた「オトモダチ」の続きというか
清書と言うか・・・です。


紛らわしいですが、先日あげた部分も
改筆して一緒にあげてます。


あげてますが、なんたって「G」です。

お食事中の方とかお上品で堪らない方とか
美しいアリス、アリス至上主義の方とかは
お読みいただかない方がよろしいかと存じます。


折りたたみますので
以下はご自身の判断でお進みくださいませ~。



つい先日までジャケットはお荷物以外何物でも
なかったというのに気が付けば周囲には上着を
着こんだ人人人の群れ。

早いもんだな。

火村は一人ごちて高い空を仰ぎ見た。

 

駅周辺の雑踏とはかけ離れた貴い空。


地上に這う人間はさながら働きアリか。

ギシギシという代わりに雑多が満ちた世界で
それでも微かに聞こえた着信に火村はボタンを押して応答した。
 
「なんだ、アリス」

待ち合わせの前に連絡が来るとは珍しい。
さては寝坊でもして遅れそうなのか。

火村はと言えばかなり近くまで来ていて
待たされるのならどこかで一服して待っていてもいいかと
あたりを見回しながら「もう少しで着く」と口を開きかけ
言葉を遮られてしまった。
 

『すまん!今日はやっぱなしや。俺離れられん友達がおる』
 

「はぁ?!」
 
青天のヘキレキ。
 

そこそこ離れている大阪まで出向いたのは
今夜はちょっと贅沢な食事をとアリスが言っていたからではないか。
 

それを、離れられない友達がいるからキャンセルだと?
 
いいわけいかんによっては、許し難し。
 

「なんだ、一体どういうことだアリス!今家か?」
 
『も、ちょお忙しいから切るな。あ、家におるから来るなら勝手にし』
 
じゃ、と。
 
短い捨て台詞を残し通話はぶつっとキレた。
 

「なんなんだ、ちくしょうアリスのヤツ」


周囲の目なんてなんのその。


突然の事に火村はいたく立腹し踵を返すと
「オトモダチ」とやらが待つアリスの部屋へと急いだ。

 

 

 

「アリス!」

 

バン!!

 

施錠されていない玄関を開け靴を脱ぐのももどかしく
あがりこんだ火村は怒気を孕んだ口調でアリスを呼んだ。


「アリス、居るんだろ!?」


返事は、無い。


答えられないのか、もしくは答えたくないのか。


嫌な考えが頭をよぎりそれを誤魔化す為にさらに声をあげる。

らしくない、実にらしくないが…そんなこと気にしてなぞ居られないほどの焦燥が火村を苛むのだから仕方ない。

 

「アリス!」


廊下を抜けリビングのドアを開く。


「アリス、どこだ」

「う~」

 

何度目か、やっと返ってきた声はソファからだ。


足早に近づき覗きこむとそこには渋い顔をして
丸まり唸り声をあげるアリスが居た。

 

「アリス?どうした?!」


決して小さくない身体を丸め、その両腕は何かを必死に
護ろうとするかのように自分をかき抱いて
日に当たらない生活の象徴でもある白い肌は白を通り越して
蒼くさえ見える。

「どうしたんだ、一体」

「ハラガ…」

「は?」

「ハラガ、イタイ」


ハラガイタイ…?


腹が、痛い?


「腹が痛いのか?」


こくんと頷きへらりと笑うアリス。


「あ~、あかん、また来よった…」

 


笑い顔のまま口元が引き攣り始めたかと思えば
途端にがばりと起き上がり「吐く!」ときた。

「吐く!?待て待て待て!」


「う~!」


深呼吸を繰り返し始めたアリスに慌ててゴミ箱を差し出すと
それを抱えて盛大な嘔吐。


「大丈夫か、アリス。しっかりしろ」


さっきまでの怒気なんて呆気なく吹き飛び
一転おろおろとアリスの世話を焼く火村。


背をさすってやりコップに水を用意し
口を拭うためのティッシュを差し出し。

「…だめ、ちょおトイレ…」


「いってこい」


吐くだけ吐いて若干すっきりしたアリスの
背を押してやった。

ふらふらしやがって大丈夫なのか?


頼りなく丸まったままの背中を見て火村は
溜息をついた。

アリスがトイレに籠っている間にこの汚物を
片付けなければ…。

オレは一体何をしに来たんだ。


出掛けられないと言われた。
離れられない友達が居るからと。


自分で誘っておきながら当日突然キャンセルを
するなんて一体どんな大切な友達なのかと思えば。

「こういうことかよ…」


そりゃ離れられないだろう。


どこかへ行くなんて論外だとも。


あれだけ苦しんでいるのだ、暫くは続くだろうな。


外出して食事なんて無理だ。

 

慌てて電話を切ったのも納得できる。

 

「あ~、う~、も~いやや~」


「大丈夫か、アリス」


だめ、と言いながらアリスはソファに寝転ぶ。


「昨日の天丼に当たったとしか思えん。
いくらかましになったけど…ゴメンな、火村」


「いいさ、今日は離れない方がいいだろ」

「すまん、埋め合わせは今度するよって」


大きな溜息をついてアリスが言うのに
気にするなと言って髪を梳いてやった。


いつでもいいさ。

今度があるならそれで充分だ。

 

end…?


>後記

「離れられない友達、トイレ」

え~、すいません、すいません。


美しきアリスを愛する極アリシストの方方、申し訳ありません。


脱兎。
 

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