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ほわいとでー。

ってことで、ヴァレンタインの続きというか
もにゃもにゃ。

あまり甘くない、上、
火村でもなくアリスでもない第三者の視点だし。

一応、火村先生の研究室にいる誰かという設定。

それでもよろしければ、続きからどうぞ。





ここから小話。



卒業生でもある私が火村先生の研究室に入って3年が過ぎた。
社会学の中でもとりわけ特異な研究テーマを
掲げる火村先生にあこがれて目指した道だ。
先生はフィールドワークとやらで頻繁に不在となる
ものの、今の状況に概ね満足している。


大学での授業にゼミ担当、加えて自身の研究。

なにかと多忙な火村准教授は、
ともすれば不機嫌に見える事が多い。

授業では饒舌に動く舌も、日常生活となると寡黙で
表情が乏しい上感情の起伏もなく常に淡々として見える。

そんなところがまたよいのだと女子らは盛り上がって
「授業中、目があった」だの「どこそこですれ違った」だのと
黄色い噂が絶えない「クールでかっこいい」と評判の火村准教授が。

このところ、すこぶる機嫌が良いという。


日差しは春爛漫ではあるが、まだまだ肌寒い時期。

春の陽気にうかれているというわけではなさそうだし
学期末、どちらかといえば忙しい時期だ。

例年なら、忙殺されてうんざりといった様相なのに
このところやけに機嫌がよい・・・というか浮かれている。

終始表情が穏やかで、時折微笑みすら浮かべていたり。
あまつさえ軽く鼻歌交じりで歩いていたり。


これは・・・何かあったに違いない。


噂に疎い私含め誰しもがそう思い始めていた頃。
研究室に珍しい来訪者がいた。
 

 
講義終わりの火村先生が品の良い紳士を伴って戻ってきたとき
私は奥にあるゼミ生用の長机で書きモノをしていた。
パーティションで区切られたこのスペースは本棚に囲まれていて
図書館に行くよりも集中力が増すと評判なのだ。

そのかわり棚に阻まれ入りきらない革張りの応接セットは、
研究室入ってすぐのスペースに追いやられているが。

「これはこれはお久しぶりです。お元気でしたか先生。
わざわざお越し下さるとは何かありましたか?」
「いやいや、火村君。久しぶりだな、本当に。キミが
そう、今のゼミ生くらいだったか?いや、研究生だったかな。
とにかく久しぶりだ。何、大学の近くまで来たものだからな。
顔でも見ていこうかと寄ったまでだ。構わんでくれたまえ。」
 
そう言いながら形ばかりの応接スペースに腰を下ろした紳士に
お茶を出す。いつもなら珈琲を入れるのだが、会話からして
火村先生の先生なのだろう。インスタントの珈琲よりは
粗茶ながらも茶葉で入れる緑茶がよかろうと思った。

「ああ、有難う。」

その言葉をもって助手の仕事は終了だ。
一礼をして下がる事にする。


「ああ、火村君、すっかり『先生』らしさが
板に着いたな。わたしのところに居たのは・・・何年前になるのかな。
アレだろう、君ももういい年だろう。身を固めたという話は
一向に聞かないが・・・どうだ、そのあたりは。」
「・・・」
「ほら、なんだ。特に決まった相手が居ないのなら・・・
いや、なに。わたしの知り合いに妙齢のお嬢さんをお持ちの紳士が居てな。
とある研究機関でなんたらいう研究してるおかげで、まあ、
行き損ねたというか、才女なのだよ、彼女は。どうだろう。」

盗み聞きしているわけではないけれど、
パーテーションで仕切られただけの
狭い空間では嫌でも聴こえてしまう。
聞き耳を立てている・・・わけでは断じてない。

「火村君、君、決まった相手もいないのだろう?」

相槌を打つでもなく、ただ聞いているだけの火村先生に
じれたのか、紳士が問う声には心なしか戸惑いが感じられる。

学内で噂の的でもある火村先生の交友関係、こと、
今まで話にもあがらなかった彼女のこととなると
噂に関心のない私とて・・・まあ、気になる。

いったいなんて答えるのだろう?


分厚い専門書を穴があくほど見つめて聞き耳を立てる。


「いや、先生。今日はたまたま通りかかったのではないでしょう。
はなからその話を持ってくるおつもりでしたね?講義終わりに
教室の前でお待ち下さったのに残念ですが、私にも春が来ましてね。」
「と、いうと・・・?」

「生涯を共に過ごしたいと思う相手が、やっと振り向いてくれまして。」

ガタン!

驚きの言葉に本を落としてしまったが、
幸いにもパーテーション向こうの二人は気にしなかったようだ。

火村の言葉が続く。

「長い間、ずっと思っていた相手なんですよ。それこそ、先生に
お世話になっていた頃からずっと。それがやっと、やっと
お互いに向き合う事が出来たので、そういったお話はご遠慮頂きたいですね。」
「なんと、そうか、そうだったのか。君がそこまで言うなんて
さぞ素敵な方なのだろうなぁ。」
「ええ、言葉では言い尽くせないほど素晴らしいですよ。
・・・私が唯一、私で居られる、そんな相手です。」


「そう、そうか。ああ、そういうことなら仕方ないな。
忙しい時期だろう、お邪魔をしたね。帰るとするよ。」


いえ、先生もお元気そうで何よりでした。

そんな言葉をかけながら外に見送りに出た火村先生に
預かっていた書類を渡すべく席をたった私の視界に。
主不在の研究室を訪れていた火村先生の旧友で推理作家がうつる。


うつぶせた彼の顔、

その耳は。


この上なく赤く染まっていた。



 end
 
 
いろいろすっ飛ばして今日にいたる。

おいおい間を埋めていければ幸い。

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