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世の中は今日からgwだそうですな。

なんとも、いやはや

まったくもって関係ない、みたいな。


相変わらずの療養中、
定期的に点滴をするためかどうか知りませんが
最近、針の入りが物凄く悪い。

今まで「あれ~?おかしいな、血管が・・・」なんてこと
なかったのにもかかわらず、ぷすぷすと指し直す事
数回、あれよあれよという間に腕が酷い事に。

同じ場所ばかりにさし続けていると
血管も復活するのに時間がかかるんでしょうかね。

正直、痛いよ(>_<)

腕がまだら状態です。


さて、アリ誕。

先日のssから続き?みたいな感じで。


とある、週末。


『明日、行ってもええか?』


たった一行。やや簡潔過ぎるメールだが、
二人にとってなんら支障は無い。


「いつ」と「どうする」が伝わればいいのだ。


返信があったのは半日経ってから。それも問題無い。
もとより、そのつもりだったからだ。

 

付き合いも長いものになると
『メールしたのに、すぐ返信が無い!』
と怒る必要もない。


まあ、この時期はどうしたって忙しいだろうな、と
あたりを付けてそれでも間に合う様に予想し、
メールを送っているから。

相手の『季節』や『時間』が手に取る様にわかる事。

共に過ごしてきた10年近い時間がそうさせているのだ
と思うと気恥ずかしいようなくすぐったい気もする。


何より、相手の事を把握しているのが、

自分だけでは無いという事。

 

『了解』


半日後、送られてきたメールは負けず劣らず簡潔なものだったが、それで充分なのだ。

 

 


別に気張る必要もないやろうけど、たまには奮発したろ。


そう思ってアリスは惣菜コーナーに立ち寄った。

色とりどりの惣菜は所狭しと陳列され、
ショウケースの中でキラキラと輝いて見える。

デパ地下でテンションがあがるのは
何も妙齢の女性ばかりとは限らないんやな。


ぱっと見、味の予想もつきにくい惣菜に
目を奪われながらアリスは思う。

この間のワイン、開けずにとってあるやろ。
それに合わせて・・・と。


結局、第二の予定を3日ほど過ぎて入稿するまで
アリス自身食生活は貧相極まりない状態が続いていたのだ。
忙殺されているであろう准教授への陣中見舞いと称してはいるものの、
どうしたって自身が好むものに偏りがち。


それでも、火村が好きそうな惣菜も含め
気が付けば両手に紙袋を下げていた。

それらを極力揺らさぬように注意を払いながら
通い慣れた北白川の道を往くのだ。

 

 

 

あっという間に春は過ぎ、
葉桜を茂らせ始めた古木たちが雨に打たれている。


少し前までは溢れるほどの観光客たちも鳴りを顰め、
古い町並みはいつもながらの閑静さを取り戻しつつあった。

 

両手に荷物、それに傘はちょっと歩きにくくて
『車で来ればよかった』と思っては見たけれど、
そもそも、買い物をしてから行く為に車を止めたのだと思うと本末転倒。


時折傾げる傘が肩を濡らすも何とか下宿まで辿りついた。

 


「こんにちは~」

勝手知りたる下宿、玄関を開けながら声を掛けると奥から婆ちゃんの声がする。

「あらぁ、有栖川さん?ちょうどよかったわぁ。
ちょっとこれから出掛けてきますからゆっくりしていって下さいね」


ぱたぱたと婆ちゃんにしては珍しく慌ただしそうに顔を見せる姿に
お土産の焼き菓子を渡すと
それでも「お茶淹れましょうか」と言ってくれる。
「出掛けに悪いから気にせんといて下さいね。
気を付けていってらっしゃい」そう言うとどこか安堵した顔で頷いて、
玄関から飛び出て行く婆ちゃんはいつ見ても元気だ。


それに応えて二階へ上がると、
見慣れた扉、鍵の掛かっていない部屋へと滑り込んだ。


空気の澄んだ部屋、閉じたふすま。


階下には見慣れた革靴が置いてあったし、
定位置にはジャケットも掛かっているから
外出しているという訳ではないのだろう。


だが、漂っているはずの薫りもなく、
奥の部屋へと続くふすまが閉じているから、
・・・部屋の住人は眠っているのだ。


そう判断し、アリスは買い物の成果を冷蔵庫へと押し込め、
濡れた上着を脱ぐとそっとふすまを開ける。


曇天では暗い部屋の奥でこんもりと盛り上がった布団。

 


規則正しい寝息を確認してそっと近づく。


横向きで布団を抱える様にして丸まって眠る姿は
学生の頃からちっとも変わらない。

 

成り行きでアリスが泊った時、
一組しかない布団に入って背中あわせに眠るのにも、苦労した癖だ。


火村が片側を抱き込んでしまう為どうしても反対側から食み出してしまう。
その度に布団を引っ張るもまたすぐに巻き込むため、
しまいには火村に暖を求めて張り付いて寝ていたっけな。


そうして朝起きると向き合って・・・というか、
抱き合う形で目が覚めたりして大いに照れていたりした。


なんつうか、その頃からなんかおかしいと思ってたのかな。


高校生の頃とは違う、友達との距離感に違和感を覚えつつも、
その違和感の正体に気が付いたのは・・・

ずいぶん後になってからだった。

お互いになんとなくは分かっていても、
いざ言動にするとなると躊躇するのも事実で。


甘すっぱい、青い『青春』とやらを
満喫しすぎるほど満喫して今の二人がある。

 


少し髪が伸びただろうか。


ひいでた額に無造作に掛かる前髪の奥で穏やか、
とは行かないまでも深々と眠る横顔は幾らか草臥れて見える。

――お疲れなんやな。

 

もう少し寝かせておいてやろう、そう思っているのに。

 

懐かしさに駆られ、アリスはその傍らに身を滑り込ませると
暖かい身体へと腕を回す。

 

布団の中から、
身体の端から、
鼻に馴染んだ火村の匂いがする。


どこか安心する、男の匂い。

すんすんと嗅ぐようにして首筋に顔を埋めた。

 

もう末期だ。

どこか他人事のように思えて少し笑える。


こんなにまでして男くささを確かめたいなんて。


小柄ではない二人がセミサイズとはいえ一組の布団にもぐりこんで
寄り添ってシアワセ感じてしまうなんて、
恐ろしく寒い図なのに、それでもいいと思ってしまうあたり、
かなり終わっているんじゃなかろうか。

 

そんな冷静な自分とは裏腹にアリスは
ぎゅっと腕に力を込めて更にすり寄ってしまう。


――別にいいじゃないか。触れたいのだから。


妙に言い訳じみた事を思いつつ
ぎゅうぎゅうとすり寄る。

こうなったら火村が起きようが迷惑がろうが関係ない。

 

したいようにしたる。

 

と、その手のひらに。


そっと添わされる無骨な指先。

 

「・・・ずいぶんと大胆な夜這いだな」

 

含み笑いを秘めた低音は寝起きだからだろう、ちょっと掠れていて。

 

ああ、そんな声もセクシーやな、なんて。

 


ぐるりと身を回転させた火村が腕を伸ばしてアリスの頭を抱き込む。


雨に濡れた首筋に熱が添って、とても心地よい。

 

されるがままに首筋に額を寄せて目を瞑る。


「雨か」

 

喉から直接伝わる声がアリスの琴線を震わす。

 

背中に廻された火村の掌がゆっくりと窪みをなぞりながら動く。

「ん、冷たい?」

顔を埋めたままでは雲ぐくった声にしかならないけれど。
 

「いや、別に」

そう答えて火村は鼻先を髪に埋めている。


酷く温かい、とても心地よい。


このままずっとこうして居たいと思えるほどのシアワセ。


「・・・ん?こら」


 

腰から背中に潜りこんだ悪戯な指先がアリスの素肌を滑り始め
冷えた肌に焼けそうに熱い指先が滑る。

 

うっとりするほど気持ちがいい、そんな感覚に・・・流されそうだ。
 

「夜這いだろ?」

 

甘噛みしながら耳朶に囁く声にアリスは震え、
火村の背中に回していた手を強く握ってシャツを掴む。

くすくす、とまるで楽しんでいるかのような声。
 

しっとりと汗ばんだ背中、綺麗な曲線を描く背中。

アリスが大好きな背中。

「ん~」

悪戯な指先が確信を持って蠢き始めた。

 

 

外は雨だ。

だから、もう暫く。

もう暫くはこうして溶けあっていよう。

 


そうして、キミに贈るのだ。

変わらない言葉を。


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